🎸おじさんギタリストシリーズ⑰ 動画に映る自分が別人編
練習動画を撮ると“別人”になるのは何故……
50代のおじさんギタリストが最近よくやることといえば、
“練習動画の撮影” だ。
便利な時代になったもので、
スマホを立てて赤い録画ボタンを押すだけで、
自分の演奏を客観的に見返せる。
──が。
その機能が、おじさんギタリストの心に
とんでもないダメージ を与えることがある。
弾いてる本人は“ロックで渋いギタリスト”のつもりなのに、
いざ動画を見返すと、
そこに映っているのは、ほぼ別人 だからだ。
■① 肩が想像の10倍上がっている問題
動画を再生した途端に気づくのが、これ。
肩がガチガチに上がりすぎてる。
本人はリラックスして弾いてるつもりでも、
動画の世界では、肩がもう“耳元”の高さにある。
-
なんか肩だけ緊張MAX
-
首が短く見える
-
ストラップがめっちゃ食い込んでる
-
というか肩だけ昭和のプロレスラー化してる
思わず画面に向かって言ってしまう。
「俺、こんな肩してたんか…?」
本当に自分なのか疑うレベル。
■② 顔が“ロック”じゃなくて“気のいいおじさん”
これはマジで深刻。
本人イメージ:
→ 目に影があり、クールで静かな狂気すら感じるギタリスト
実際:
→ おだやか。
→ やわらかい。
→ なんか優しい。
→ 湯上がりの父親みたい。
特に“口元”。
ほぼ常時、半開き。
とてもじゃないがロック顔ではない。
むしろ、なぜか 「昭和の歌番組で後ろで弾いてる職人」 の顔してる。
■③ 表情が反応してない
自分では「ここ、キメた!」と思ったフレーズでも、
動画の中の自分は、まったく表情が動いていない。
-
速弾きしてても眉一つ動かない
-
チョーキングしてるのに感情ゼロ
-
ソロの山場で顔が“無”になる
-
しかもなぜかちょっと眠そう
完全に昭和の職人芸。
“あんた、弾いてるよね?喜怒哀楽どこ行ったん?”
と問い詰めたくなる。
■④ 動きが“ロック”じゃなく、“職場の昼休みリズム”
自分では“ノリ良く揺れてる”つもり。
ところが動画の中の揺れは、どう見ても
・昭和の漫才師の相槌
・職場のBGMにうっすら体揺らす課長
・電車で微妙に揺れてるおじさん
のどれか。
特に左右の揺れが、
“グルーヴ”ではなく“生活リズム”になってる。
本人だけロックなつもりだが、
体はもう日常に染まっている。
■⑤ ピッキングの位置がグチャグチャ
動画を見ると、
ピッキングの位置が 想像の3cm下 にある。
しかも右手のフォームが
-
ピックを持つ位置が浅すぎる
-
手首じゃなく肘で弾いてる
-
小指が妙に立ってて昭和のマダム風
-
時々親指だけ謎の動き
……あなたは誰?
■⑥ 動画を見返した瞬間の精神ダメージがデカい
動画を見る勇気があるおじさんは強い。
しかし現実を知ったおじさんはもっと強い。
再生した瞬間、水をかけられたように冷静になる。
「俺の頭の中の“理想像”、誰やったん?」
「これ…もう一回人生やり直す?」
「ギターは悪くない…悪いのは俺の顔と肩や…」
精神にグサッとくるが、
これがまたクセになる。
■⑦ だが“別人現象”はおじさんギタリストの成長の証
動画は残酷だが、
残酷だからこそ強くなる。
-
自分の癖が全部見える
-
無駄な動きが分かる
-
力が入りすぎてるポイントも丸見え
-
見たくない現実ほど上達のヒント
若い頃は“勢いでなんとかなる”と思っていた。
でも今は違う。
勢いじゃなくて、積み重ねと修正で上手くなる。
動画は痛い。
でも、ありがたい。
■⑧ 結局、今日もまた録画してしまう
「今日は昨日よりマシなはず」
「昭和顔じゃないはず」
「肩も下げたし!」
そう期待して録画ボタンを押す。
結果:
ほぼ昭和。
でも、ほんの少しだけ昨日より良い。
その進歩がうれしい。
おじさんギタリストは、いつだって成長している。
■ まとめ
50代になると、
ギターも人生も “自分を客観的に見る勇気” が必要になる。
動画は残酷だが、その残酷さが音を磨いてくれる。
そして今日もまた、
「俺、こんな顔して弾いとったんか…」
と呟きながら、
おじさんギタリストは新しい自分に出会っていく。
いいなと思ったら応援しよう!
読んでくださるだけで本当に嬉しいです。サポートいただいた分は、取材費や資料代など、次の作品づくりに活かしていきます。無理のない範囲で応援していただけたら嬉しいです。
読んでくださること自体が、何よりの支えです。
