🎵『Patience』 Guns N’ Roses(1988 / single 1989)

収録:GN’ R Lies(1988)
シングル:1989年3月リリース(米)
作詞:Axl Rose, Izzy Stradlin
作曲:Guns N’ Roses
プロデュース:Mike Clink
レーベル:Geffen Records

やればできる
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イントロの口笛が鳴った瞬間、世界が静かになる。
Guns が「やればできる」じゃなくて、「こういう顔も最初から持ってた」と言ってくる曲。派手な火花の代わりに、長い息を置いてくる。

[Intro]

Whistling
口笛

口笛って、演奏の中ではいちばん無防備だと思う。
ギターでも声でもなく、“人の息”がそのまま出る。
ここで既に、この曲は強がらない。


[Verse 1]

Shed a tear ‘cause I’m missin’ you
I’m still alright to smile
君がいなくて、ふと涙がこぼれるけど
それでも、笑顔でいることはできている

悲しみを否定していない。
でも、悲しみに飲み込まれてもいない。

泣いた事実と、
それでも今日をやり過ごせる自分。
その両立を、そのまま受け入れている。

強いのか弱いのか、どっちでもある。
泣く。でも壊れない。その中間の温度が、いちばんリアルだ。


Girl, I think about you every day now
Was a time when I wasn’t sure
But you set my mind at ease
There is no doubt you’re in my heart now
気づけば、毎日君のことを思い浮かべてる
迷っていた時もあった
でも、君がその不安を静めてくれた
今はもう、君が心の中にいることに迷いはない。

ここにあるのは、情熱や誓いじゃない。
気づけば生活に溶け込んでしまった想い

毎日考えていると言っても、重くはない。
朝のコーヒーみたいに、自然に浮かぶ存在。

若い頃なら、物足りなく感じたかもしれない。
でも今聴くと分かる。
心が静かになる相手と出会うことが、どれだけ希少か。

“ロックの強い言葉”じゃなくて、生活の言葉で言っているのが効く。
「落ち着く」って、恋愛でいちばん欲しい効能かもしれない。


[Chorus]

Said, woman, take it slow, it’ll work itself out fine
All we need is just a little patience
Said, sugar, make it slow and we’ll come together fine
All we need is just a little patience
Patience
ねえ、焦るなよ。ゆっくりいこう。うまくいくから
必要なのは、ほんの少しの“我慢(忍耐)”だけ
ゆっくりでいい。そうすればちゃんと、また一つになれる
要るのは少しの 忍耐だけ
忍耐、だよ

ここでの patience は、道徳じゃない。
“待つ技術”というより、“待てる余裕が残ってるか”の確認に近い。
無理して前向きにならないのが、この曲の優しさ。


[Verse 2]

I sit here on the stairs
‘Cause I’d rather be alone
If I can’t have you right now, I’ll wait, dear
Sometimes I get so tense
But I can’t speed up the time
But you know, love, there’s one more thing to consider
階段に座ってる
一人のほうがマシだから
今すぐ君を抱けないなら、待つよ
たまに、すごく張り詰める
でも時間は早送りできない
たださ、もう一つだけ考えてほしい

ここ、かっこつけてないのが痛いほど分かる。
階段に座るって、帰るでもなく、行くでもなく、ただ“そこで止まる”姿勢。
時間を早められないことを知ってる大人の諦めと、まだ諦めきれてない気持ちが同居してる。


[Post-Chorus]

We won’t fake it
Oh, I’ll never break it
‘Cause I can’t take it
嘘にはしない
俺は壊さない
だって、もう耐えられないから

ロマンチックな誓いというより、ぎりぎりの自己申告。
「綺麗にやる」じゃなくて、「これ以上ぐちゃぐちゃにはしたくない」。
そういう切実さがある。


[Outro]

I’ve been walkin’ the streets tonight / Just tryna get it right
It’s hard to see with so many around
You know I don’t like bein’ stuck in the crowd
And the streets don’t change, but, baby, the names

I ain’t got time for the game ‘cause I need you
今夜、街を歩いてる ちゃんとしたくてさ
人が多すぎて、見えにくい
人混みで動けないの、好きじゃないんだ
通りは変わらないのに、名前だけが変わっていく
駆け引きしてる暇はない 君が必要なんだ

サビの“忍耐”が、ここで急に“現実”になる。
人混み、街、名前が変わる、動けない。
そういう日常の摩耗の中で、それでも「君が必要」と言ってしまう。
大げさな愛の宣言じゃなくて、疲れた夜の本音に聞こえるのが、この曲の強さ。


この曲を聴くと、派手なソロより先に「息の長さ」に耳が行く。
速弾きはしない。説教もしない。
ただ、待つ。待ちながら、崩れないように自分を支える。

それをあの伝説のロックバンドが、あんなにシンプルに鳴らしてしまった。
だから「Patience」は、バラードの定番というより、人が大人になっていく途中の音として残ってるんだと思う。

G N’ R Lies(1988)

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