作詞:森重樹一
作曲:森重樹一
編曲:ZIGGY, 佐藤宣彦
収録:アルバム『SOUND TRAX』(1991)
ZIGGYというバンドを好きでい続ける理由を、
この『La Vie en Rose』は、実にわかりやすく、そして痛いほど正直に教えてくれる。
ロックンロールは、本来“綺麗事”じゃない。
それを真正面から歌ってくれる日本のバンドが、どれだけあっただろうか。
ZIGGYは、夢と堕落、理想と現実、光と背徳を、同じメロディの中で鳴らしてしまう。
■ スーツに窒息するロックンロール
冒頭の
「Dirty Suitsに包まれて息がつまるよ day & day」
この一行だけで、胸を撃ち抜かれる。
会社、社会、同調圧力、
Deskの上で踊らされる(仕事をし続ける)日常。
ZIGGYは最初から、それを“敵”として描く。
「Deskの上で踊りたくないだけ
Beatと熱い恋をしたいのさ」
このフレーズは、若い頃は“反抗”として聴いていた。
でも、おじさんになって聴くと違う。
これは祈りだ。
「せめて、音楽とだけは本気で恋をさせてくれ」
そう言っているように聴こえる。
■ La Vie en Rose=薔薇色の人生、ではない
タイトルの La Vie en Rose は、
一般的には「薔薇色の人生」と訳される。
だが、ZIGGYのそれは甘くない。
赤いバラを敷きつめて眠り
シャンパンの雨に酔い
背徳のメロディーに堕ちていく
ここにあるのは、
“幸福”ではなく、逃避と陶酔だ。
意味のない白い世界で、
ガラスのように壊れやすいLa Vie en Rose
森重樹一は、
「夢を見ろ」とも
「現実を見ろ」とも言わない。
ただ、
夢を見ることの危うさと、それでも夢に手を伸ばす衝動
その両方を、正直に描いている。
■ ZIGGYのロックンロールは、いつも“シニカルで美しい”
この曲に漂うのは、ZIGGY特有のシニシズムだ。
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偽善を捨てろ
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右へならえするな
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失うことを恐れるな
どれも正論だが、
決して説教にはならない。
なぜなら、
歌っている本人もまた、
煮えきらないLonely manだからだ。
強がりと弱さを同時にさらけ出す。
それがZIGGYのロックンロールであり、
森重樹一というフロントマンの最大の魅力だ。
■ おじさんギタリストが今も『La Vie en Rose』を聴く理由
若い頃は、
この曲を“カッコいい反逆の歌”として聴いていた。
今は違う。
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夢を見た
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折れそうになった
-
それでも音楽を手放さなかった
そんな人生を通った後で聴くと、
「La Vie en Rose」は、
敗北を知った人間のロックンロールに聴こえる。
派手じゃない。
救いも保証されていない。
それでも、Beatと恋をしたいと言い続ける。
おじさんになった今、
この曲がいちばん沁みる理由はそこにある。
■ まとめ
「La Vie en Rose」は、
ZIGGYが“日本語ロックの中で唯一無二だった理由”を
完璧な形で封じ込めた一曲だ。
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反抗と諦念
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美意識と堕落
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ロックンロールと現実
そのすべてを抱えたまま、
今日もギターを抱えてしまう人間のための歌。
おじさんギタリストとして、
これからも何度でもこの曲に戻ってくる。
たぶん、最後まで。

