我又來台灣了!
シンガポールでの仕事を終え、再び台湾にやって来た。
今回滞在しているのは、新北市の板橋(Banqiao)と樹林(Shulin)のあたり。
台湾にはこれまで何度も来ているので、今さら珍しい土地というわけでもない。
それにしても、ついこの間までシンガポールにいたのに、今度は台湾で仕事をしている。
こうして移動を繰り返していると、スーツケースの中身を入れ替えることさえ、だんだん面倒になってくる。
必要なものは大体同じだし、どうせまたすぐに使う。
いっそ、このままにしておいたほうが効率的なのではないか。
そんなことを考え始めるあたり、我ながら少々横着になったものだ。笑
今回も仕事での滞在なので、観光らしいことをする予定はあまりない。
ただ、しばらくシンガポールにいたせいか、何度も歩いてきた台湾の街が、いつもと少し違って見える。
整った街から、少し賑やかな街へ
シンガポールの街は、どこか整っている。
道路も建物も、街路樹の並び方まで、きちんと考えられているように感じる。
もちろん、昔ながらの街並みもあるし、賑やかな場所もある。
それでも、全体として街の動きに一定の秩序があるような気がする。
一方、台湾の板橋や樹林のあたりは、もう少し生活が表に出ている印象がある。
通りにはバイクが並び、店先には椅子が置かれ、歩道のすぐ横で食事をしている人もいる。
大通りから一本入るだけで、街の表情が変わる。
古い建物の隣に新しい店ができていたり、立派なマンションのすぐ近くに昔ながらの食堂が残っていたり。
何度も来ているのに、こうして改めて眺めると面白い。
シンガポールが整理整頓された机の上だとすれば、台湾は仕事の途中でいろいろなものが広がった机のような感じだろうか。
どちらが良いという話ではない。
ちなみに私の机は、どちらかといえば台湾寄りである。
いや、台湾に失礼かもしれない。笑
こういう少し雑多な風景を見ていると、妙に落ち着くことがある。
たぶん、そこに暮らしている人たちの日常が、そのまま見えるからなのだろう。
何度も訪れる街には、何度目かの発見がある
海外で仕事をしていると、観光旅行とは違った街の見え方をする。
有名な場所を訪れるよりも、仕事場と滞在先を往復する時間のほうが長い。
朝、いつもの道を通る。
仕事を終えて、食事をする場所を探す。
ホテルに戻り、翌日の予定を確認する。
特別なことは、ほとんどない。
でも、何度も訪れている場所だからこそ、前回との小さな違いに気づくことがある。
以前はなかった店ができていたり、見慣れた通りの雰囲気が少し変わっていたり。
逆に、何も変わっていない店を見つけると、少し安心する。
自分がいない間にも、この街では当たり前に毎日が続いていたのだと思う。
考えてみれば、当然のことなのだけれど。
仕事で海外を訪れるというと、何となく華やかな印象を持たれることがある。
実際には、仕事をして、食事をして、寝る。
日本にいるときと、それほど変わらない。
違うのは、コンビニに並んでいる商品と、聞こえてくる言葉くらいかもしれない。
それでも、その小さな違いが嫌いではない。
仕事のすぐ近くにも、文化がある
今回滞在している板橋周辺では、ちょうど国際芸術祭が開催されている。
古い放送施設を会場にした催しで、台湾だけでなく海外の芸術家たちも参加している。
さらに新北市ではドキュメンタリー映画祭も開催中で、坂本龍一やBlurに関する作品も上映されるという。
音楽に関わる身としては、やはり気になるところだ。
しかも、仕事で滞在している場所からそう遠くない。
せっかく近くにいるのだから、時間があれば覗いてみたい。
ただ、実際に足を運べるかどうかは、仕事次第だ。
こういうことは海外にいると結構多い。
気になる催しを見つけても、仕事が終わる頃には時間がなくなっている。
せっかく台湾にいるのだから、少しは出歩けばいいのに。
そう思いながら、結局ホテルに戻る。
昔だったら、多少疲れていても出かけていた気がする。
今は翌日の仕事のことも考える。
大人になったと言えば聞こえはいいが、単に体力の配分が慎重になっただけかもしれない。
もっとも、仕事で来ているのだから、それでいいのだろう。
シンガポールから台湾へ、そしてまた日常へ
しばらくシンガポールに滞在していたせいか、台湾に戻ってきて改めて感じることがある。
同じアジアでも、街の雰囲気は随分と違う。
人の歩く速さや、店の構え方、街の賑わい方。
シンガポールにはシンガポールの心地よさがあり、台湾には台湾の親しみやすさがある。
何度も訪れているうちに、そういう違いを特別なものとして意識しなくなっていたのかもしれない。
若い頃は、海外に行くたびに何か新しいものを見つけようとしていた。
せっかく来たのだから、あそこにも行きたい。これも見ておきたい。
時間が惜しくて、予定を詰め込むこともあった。
今は、何もしない時間があっても、それほど気にならなくなった。
仕事を終えて、近くで食事をして、少し歩いて帰る。
そんな一日でも十分だったりする。
もちろん、時間があれば出かけたい。
ただ、無理をしてまで何かを見つけようとは思わなくなった。
台湾の街を歩いていると、店先で働く人や、食事をしている家族、仕事帰りらしい人たちの姿が目に入る。
私にとっては海外でも、ここで暮らす人たちにとっては、いつもの一日なのだ。
そんな当たり前のことを、改めて感じる。
そして、どこの国にいても、人に対してはできるだけ優しくありたいと思う。
言葉が違っても、文化が違っても。
何か特別なことをするわけではない。
ただ、ちょっとしたやり取りの中で、お互いに気持ちよく過ごせたら、それで十分な気がする。
ギターも、いつもの日常に戻る
ホテルに戻ると、ようやく一日が終わった気分になる。
荷物を置いて、翌日の予定を確認する。
ギターを弾く時間が取れる日もあれば、そうでない日もある。
若い頃は、海外にいても時間さえあればギターを触っていた。
今も弾きたい気持ちは変わらない。
ただ、仕事が続くと、身体のほうが先に休憩を要求してくる。
このあたりは、なかなか交渉が難しい。
無理をして弾いても、思うような音が出ないことがある。
そんな日は、少しだけ弾いて終わりにすることもある。
それでも、ギターが身近にあるというだけで、どこにいても自分の日常が続いているような気がする。
台湾でも、シンガポールでも、日本でも。
国が変わっても、仕事をして、食事をして、時々ギターを弾く。
考えてみれば、随分と変わり映えのしない生活だ。
でも、こういう生活を長く続けてきたのだから、今さら急に変わることもないだろう。
さて、明日も仕事だ。
せっかくだから、帰りに何か美味しいものでも探してみようか。
もっとも、そう言いながら、結局いつもの店に入ってしまう気もする。
何度も来ている台湾。
今回も、そんな日常が続いている。
この記事の元記事はこちら
noteで読む
紹介した音源・CDを探す
※この欄にはアフィリエイトリンクが含まれます。価格・在庫はリンク先でご確認ください。